Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Lisez 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 606 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

「ああいう事件があった後だ、多少体を痛めたのかもしれない」

無理もないことだと思うのであった。

その翌日のことであったが、一日暇を戴きたいと、小間使いのお花が云い出した。

「ああいいとも、暇を上げよう。親元へでも帰るのかな」

「はい、あの神田の兄の許へ」

「おおその神田の兄さんとやらは、お上のご用を聞いているそうだな」

「はい、さようでございます」

「ゆっくり遊んで来るがよい」

「はい、それでは夕景まで」

小さい風呂敷の包を抱き、小間使のお花は屋敷を出た。

神田小川町の奥まった露路に、岡引の友蔵の住居があった。荒い格子には春昼の陽が、鮮に黄色くあたっていた。

「嫂さんこんにちわ」と云いながら、お花は門の格子をあけた。

「おやお花さん、よく来たね」声と一緒にあらわれたのは、友蔵の家内のお巻であった。三十前後の仇っぽい女で、茶屋上りとは一眼で知れた。

「これはお土産、つまらない物よ」

「よせばよいのに、お気の毒ねえ」

「それはそうと兄さんはいて。妾ちょっと用があるのよ」

「おお、お花か、何だ何だ」

これは友蔵の声であった。

友蔵は茶の間の長火鉢の前で、湯呑で昼酒を飲んでいた。