Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 722 caractères · 286 écrans
そこで兵馬は、まずこの刀の作者年代が、誰で、いつごろ、ということは念頭にのぼらないで、
「これは寺の刀ですか、それとも誰か持って来たのですか?」
「この床の間にあったのです」
「それでは、寺の物ですな」
「そうかも知れません」
兵馬の疑点が一歩ずつ深く進んで行きました。身に寸鉄を帯びざることは、智識の誇りではあるにしても、寺に刀があって悪いという掟はない。ただ不審なのは、近き既往においてこの刀が、まさしく血の味を知っていたとのことです。この寺の住持は老齢の身で、盗まれたものさえ、訴えては出ないほどの仁者である。それが、この刀を振り廻そうはずがない。それでは弁信か、茂太郎か。どちらにしても、想像の持って行き場がないではないか。まして、お雪ちゃんにおいてをや。
同時に閃めいたのは……閃めかなければならないのは、過ぐる夜のことで、山窩のものだという悪漢が二人、この寺に押込んで、泊り合わせた兵馬のために傷つけられて逃げた、それが町の外れの火の見櫓の下でおおかみに食われて死んでいた、罰はテキ面だと人をして思わしめたのは、遠くもない先つ頃のことで、その当座は――今でも、誰も狼に食われたものと信じて疑わない。