Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

てっきり、これは百万石の加賀守のお供先が、何かの行違いで、わが道庵先生をつかまえて、暴圧を加えているのだな、とこう感づきました。それで彼は、この提灯の梅鉢の紋に向って、反抗の心が潮の如くわき出したのです。

しかし、これは少なくともこの際、米友の推察は立入り過ぎていました。邪推とはいわないけれども、筋道の考え方が生一本に過ぎていました。

いわゆる百万石、加賀様の御威勢は、この街道に於て、そんな圧制なものではない。むしろ、その寛大と、鷹揚と、自然、金銀の切れ離れのよい大大名ぶりは、この街道筋の上下を潤して、中仙道、一名加賀様街道といわれたほどに人気を占めていました。ついでにお気の毒ながら、その時分の下郎共の口の端にのぼった悪まれ唄を紹介すると、

人の悪いのは鍋島薩摩、暮六ツ泊りの七ツ立ち

というのがその一つ。

お国は大和の郡山、お高は十と五万石、茶代がたった二百文

というのもその一つ。

銭は内藤豊後守、袖からぼろが下り藤

というのもその一つ。

その他、参覲交代の大名という大名で、この下郎共の口の端にかかって完膚のあるのはないが、百万石、加賀様だけは別扱いになって、さのみ悪評が残らない――