Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

諸名士の遺物がある。藩の殖産興業の模範といったようなものもある。

道庵はそれをいちいち熱心に眼を通して歩き、「五人組改帳」だとか、「奇特孝心者の控」だとか、松本新銭座の銭だとかいうものは、いちいち手に取って熟覧した上に、三村道益が集めた薬草の標本のところへ来ると、われを忘れて、

「有難い」

と合掌し、道益の自筆本「木曾薬譜」というのを見ると、伏し拝んでしまいました。

「これだ――これでなくちゃならねえ」

道庵は三村道益の遺物の前で眼をしばたたいて、親の遺物に逢うように懐しみ、そうして言うことには、

「わしは別段、この道益先生を師として学んだわけでもなんでもねえが……その恵みというものは忘れるわけにはいかねえ。なぜといってごろうじろ、この木曾の薬草が今のように世に盛んに出て、貧民病者を助けるようになったのは、いったい誰のおかげだと思う。道益先生が考えるには、わしは代々この木曾で医者を商売にする家に生れたが、この木曾に産する薬草というものの良質にして、多量なることは、他国の及ぶところではねえ、もしこれをとって、年々に三都へ出して売り弘めた日には、少なくとも天下の薬価の三分の一を減ずることができる、それのみならず、木曾地方は山谷の間にあって、穀物を生ずることが少ない、そこで仕事のない人を山に入れてこの薬草を取らせ、それに