Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 272 caractères · 313 écrans

Aozora Bunko

そのあとに、影身のように附添うたムクも現われては来ない。間の山の盛り場では、提灯篝の火が空を焦して、鳴り物の響きが昔ながらに盛んに響いて来るのに、自分の見たいと思う人と、聞きたいと思う声だけは、一つも現われて来ない。そこで米友は、

「ムク……おいらは今、間の山に来ているんだぜ、誰も迎えに出て来ねえのかい?」

米友は天を仰いで号泣しようとする、その大榎の樹の枝に、一団の青い火が、上ろうとして上らず、下ろうとして下らないのを認めました。

「あれが魂というものだな」

米友は身を躍らして、その青い一団の光を捉えようとする途端に、大風が吹いて来て、その光を大空へ吹き上げたから、ハッとして眼を醒ますと、自分の転寝をしていた身体の上へ、誰かふわりと掻巻を着せてくれた人がありました。

「風邪を引きますよ」

障子のところに立っている女の姿を見ると、米友はムックリと起き直って、

「お玉さん!」

「ホ、ホ、ホ、どうもお気の毒さま、つい、お邪魔をして済みませんでした」

「玉ちゃん、いいからお入り」

「はい」

「ここへお入り、話があるから」

米友は、ほとんど猛然として起き上って来て、お玉の袖を取りました。