Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 254 021 caractères · 495 écrans
百九十
米友のあわただしさを、微笑しながら見送った青嵐は、炉前に戻って、暫く茫然と炭を見つめておりました。
どうしたものか、さいぜん再三、庵寺の玄関の方で呼びかけた声は、もう聞えません。さては、呼びあぐんで、立帰ってしまったと見える。
日がたそがれる。
暫く炉炭を見つめていた青嵐は、やがて行燈を引寄せて火を入れたのですが、その火影をまた暫くぼんやりとながめていたが、近所隣りは静かなものです。
日はとっぷりと暮れた。
これから、秋の長夜がたのしめる。昼は釣をたのしみ、夜は燈に向って書を読むの快。それを存分にたんのうすべく戸締りをする前に、青嵐は外へ出ました。外は暗いけれども宵の口だから、もちろん、提灯、カンテラがなくとも歩ける。庭下駄をカラコロと穿いて、中庭をめぐり、庵寺の方へと歩き出したのは、とにかく、これから秋夜読書の快味を満喫せんがために、一通り境内の垣を見守っておかなければならぬ。かなりに広い庭内のそぞろ歩きをはじめて、やがて、裏手から寺の門内を一通り見めぐり、玄関の近くまで来てみると、そこで一種異様な物音に、思わず足をとどめさせられました。