Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lisez 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 374 caractères · 345 écrans
昔の殿様を廃業している、こうして涯り知られぬ海上をうろつく、これが本当の浪人じゃ、浪人という字は浪という字を書く、陸上にさまようているのは、あれは浪人ではなく、牢人と、人を囚える牢という字を書いたものもあるが、海上から見ると、陸にいる人は牢にいる人と同じかも知れない、陸にいてはいくら自儘だといっても窮屈じゃ、限度という格子に必ず突き当るが、そこへ行くと、海上は無制限だ、海上には、海上の自由があるな、たしかに。だから海上に漂う身になってみないと、真の浪人の味はわからぬものだ、つらいことも無制限だが、楽しいことも無制限だ。人間として、人間の制限を受けるのはいやなものだな、お松さん、そうは思いませんか」
「それはおっしゃる通りでございます、陸にいると、海にいるとでは、人間の気象が自然に違って参ります」
「制限のなき世界、制限なくしておのずから節度のある世界、節度を人から強いられず、自ら楽しんで傲ることなき、そういう世界が望みで、わたしはこの船の旅に出ました、わたしはもう人の上に立つことはしない、人の下に忍ぶこともしない、お松さん、君が、もしまた、このわたしを主人と思い、己れの立場を家来と思っているとしたら、それはおたがいの誤解であるばかりでなく、おたがいの不幸です、この道理が、あなたにはよくおわかりのはずです」