Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans

Aozora Bunko

「ね、よっちゃん、もう一ぺん、よくおいらの面をごらん、米友に違えねえだろう」

と、三たびその面を摺りつけました。

摺りつけないまでも、遠眼で見たって、一たび見覚えのある者にとっては、この男の面は忘れようとしても、忘れられない記憶となっているはず。

「あ、友さんに違いない、けれども、わたしの知っている米友さんは、もう生きていないんですもの」

娘は恐怖のあまり、つきつけられた米友の面を見まいとして、両手で自分の面をかくします。

「ところが、生きてるんだよ、この通り、生きてるんだ、間違いはねえのですからね、よっちゃん、そんなに、むずからねえでもいいや、正の米友だよ」

「いいえ、わたしの知ってる米友さんは、たしかに死にました」

「ちぇッ、だって、当人がここにいて、生きていると言ってるじゃねえか」

「そんなはずはありません、友さんは死んじゃったのです、お前さんは別の人か、そうでなければ、米友さんの幽霊に違いありません」

「ちぇッ――別の人がおいらだなんて言うかい、ニセモノをこしらえたって、ニセモノ栄えがしねえじゃねえか」

「放して下さい――怖いから」

これはホンの一瞬時の出来事でしたが、この辺に至って第三者が承知しません。