Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans
今日は珍しくも動いているものを認めました。動いているものは、海の波と、空を行く雲と、梢に通う風の音ばかりと心得ているところに、海岸の砂浜に、ほとんど豆の動くが如き黒一点を認めて、白雲は直ちに、
「人だな……人間に紛れもない」
と、かえって人間の存在することに、驚異の眼をみはりました。
暫くは静止して、その黒点を注視していましたが、その動いている黒点が、離れたり附いたりするうちに、たしかに二箇は存在することを確認しました。
なお見ているうちに、極めて少しずつではあるが、右の二つの黒点が、こちらに向って近づいて来るのだということを、見損ずるわけにはゆきません。
「はて、漁師かな」
漁師にしては舟が無い、と見ているうちに、その二つの影がようやく、はっきりする。二つの人影が、棒を以て渡り合っている――と白雲はそう思いました。多分、棒だろうと思われる、そうでなければ然るべき得物――武器でなければなるまい。それを持った二人が、附いたり離れたり、ある時は飛び違ったり、走せ出したり、また飛び戻ったりする。なお注視するところによれば、その二人は、いずれも武装している、武装でなければ旅装である。