Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans
番兵さんが産婆役をして、茂太郎が介添役となって、かくて安々と玉のような牛の子が、夜這星の下に生れ出たのである。そのチュガ公という名の名附親が誰あろう、この清澄の茂太郎御本人ではないか。チュガ公という名になんらのよりどころと、つかまえどころがあろうとは思われない。生れ落ちると同時に、
「番兵さん、名前を何とつけてやろうか知ら。チュガ公はどうだね、チュガ公とつけたらどんなもんだろう」
「よかろうね、なんでも名は、呼びいいのがいい」
そこで即座に、チュガ公の名が選定されてしまいました。
その後、茂太郎去って後も、多分その名で呼ばれ通して来たのでしょう。畜生の身としても、その産婆役と、名附親とを忘れてよいものか。
「チュガ公が、このごろお前、だまって出歩きをするようになっていけねえんだ」
「どうして」
「どうしてったって、お前、お母あが亡くなってからというもの、出歩きをしたがっていけねえ」
「え、チュガ公のお母あは死んだのかい、番兵さん」
「ああ、惜しいことをしたよ、この春ね」
「ええ、だから、お父さんも、お母さんも達者かと聞いてみたんだのに、どうして死んだの、病気でかい」