Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

Lisez 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 268 946 caractères · 520 écrans

Aozora Bunko

まさか、ひっそりした奥の一間の平和をかき乱さんがために、あれへ闖入したものとも思われません。その証拠には、現に、奥の一間の平和の空気が、少しも攪乱されている模様のないことでわかります。

してみると、多分、あの母屋へつづく、あの廊下口から出て行ってしまったものに相違ありますまい。なるほど、そう言われて見ると、さきほど米友がお雪ちゃんの頼みで固く締切った時とは違って、戸前が少しゆるんでいる――お銀様は、たしかにあれから母屋の方へ、ともかく引上げ去ったと見るほかはありますまい。

炉辺へ持って来て押据えた道庵を見ると、これはまた、あんまりだらしがないのも、こうなると寧ろ悲惨な心持がして、米友も、腹を立てる気にもなれませんでした。

「先生、なんてザマだい、そりゃ……」

「済まねえ――」

呂律が廻らないだけならいいが、身体の自由が全く利いていないのです。飲み過ぎて身体の自由の利かないことは、この先生としてはあえて異例ではないのですが、今晩のは、只事ではない。全く、さいぜん生温い声で助けを呼んだ言い分と同様、衣服は裂け、面と言い、手といい、向う脛と言い、露出したところはすり創、かすり創、二目と見られたものではないのです――でも、申しわけのためかなんぞのように、左の片手には、薬草を一掴み掴んで、放そうとはしていない。