Classiques japonais avec furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lisez 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 319 771 caractères · 617 écrans
何者が来ようとも、遅疑するこちらではない。
しかし、相当の距離もあるとおもったそのうち、だんだん近よるに従って、その提灯の紋所がいよいよはっきりして来る。それを見ると、菊桐の御紋章です。
菊桐の御紋章は、たったいま山崎から説明を聞いたところのもの、さいぜん見たのは高張提灯、これは弓張のさげ提灯です。
二人連れで、いずれも両刀を帯びた壮士である。前のが提灯を持って先導し、うしろのが、少しほろ酔い機嫌で、微吟をしながら歩いて来るのです。
こちらの三人と、ぱったり行会った途端、山崎譲がまたしても、その御紋章の提灯をたずさえた先導の壮士に向って呼びかけました、
「おいおい、斎藤一ではないか」
「拙者は斎藤だが、そういう貴殿は誰だ」
「山崎だよ、山崎譲だよ」
「ああ、山崎か」
「斎藤、君はこんな夜中にドコへ行くんだ、しかも、もったいない御提灯などを提げこんで……」
「は、は、は、ドコへ行くものか、この御紋章の示す通りだ」
「高台寺の屯所へ帰るのか」
「そうだ、そうだ」
「そうして、今頃まで、どこで何をしていた」
と山崎から推問されると、斎藤と呼ばれた壮士は、提灯を持ったまま橋の真中に踏みとどまり、