Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lisez 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 319 771 caractères · 617 écrans
これが七兵衛あたりの役者になると、同じ狸同士でも、そこにはまた相当のコクもあろうというものだが、最初から芝居がかりがお客に見えたのでは、芝居にならない。素と素とがカチ合っているようなものです。そこで、おたがいが兼合いながらの問答であります。
「エエ、お客様のお宿もとは、どちら様でございましたかな、お帰り先は」
またしても、お宿もと、お宿もと、そう露出に鎌を振り廻さなくとも、身分素姓が知りたいならば、もう少し婉曲な言い廻しもあろうものを、いったい、最初からセリフが無器用だ。そうそう繰返して、詮索めかして出られると、憤らない相手をも憤らせてしまうではないか。ところが今日の相手は存外淡泊で、
「そのお宿もとがないのだよ――実はな、拙者も久しぶりで京の地へ足を入れた最初の晩がこれなんだ。そうさなあ、もう何年の昔になるかなあ、たった一晩、島原で遊んだ風味が忘れられないで、京へ着くと第一の夜が、それあの里さ。尤も、おれが好んで第一にあの里へ足を入れたというわけではない、途中、要らざる出しゃばり者が出て来て、おれをあの里へつれ込んだ、下地は好きなり御意はよし、というところかも知れない。