Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lisez 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 601 caractères · 387 écrans
お君はやっとムクの頸から手を離して、そうして沈み行く夕陽の海の彼方を見て掌を合せて拝みました。
お君は暫らく西の空を拝んでいましたが、またムクの頸を抱いて、一人で二人分の話をしていました。
暫らくして、夕焼けも消えてしまい、夜の色が、波の音と一緒に深く押寄せて来るのに気がついたお君は、
「ああ、あんまり嬉しいので、日が暮れたのも忘れてしまった、これから出かけるといったって仕方がないから、今夜はここのお社へ泊めてもらいましょう。ムクや、よく神様にお礼を申し上げて、今夜はここへわたしと一緒に泊めてもらうんだよ」
命を捨てるはずであった神前で、この不思議なる主従は、相抱いて一夜を明かすことになりました。
七
それからのち程経て、東海道の駅々を、どこで手に入れたか一挺の三味線を抱えて、東へ下るお君の姿を見ることになりました。そのあとには例のムク犬がついています。
いつでも問題になるのはお君の容色。雲助、馬方、道中師の連中、これらが遠くから見て悪口を言う分には差支えないけれども、もしいささかでも悪意を持って近寄ろうものならば、眠っていたようなムク犬の眼が鏡のように光ります。