Classiques japonais avec furigana
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おおさかをあるく
大阪を歩く
直木 三十五
Lisez 大阪を歩く (おおさかをあるく) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 964 caractères · 65 écrans
五六年前まで、生糸業者は生糸とは別の物で、心配する事は無い、と断言した。だが、何うだ今日――。
生糸の需要減退は、アメリカ不景気のみと、誰が断言できる。人絹に圧迫されていないと、誰が云いうる。
又樟脳は日本の特産物であった。一斤二十円以上もして人工生産は、不可能だと、世界の市場を独占していた。所が、独逸は、大戦中、樟脳の供給が断たれて、火薬の製造に困ったから、これの人工製造を研究して、見事に成功した。そして、日本樟脳は、一斤五円にまで激落してしまった。
天産に乏しい日本として、科学の発達をさせて、無より有を生じさす以外に、方法の無い事は、判り切っているのに、日本の人々は、科学に対して、甚だしく冷淡である。アメリカの富豪の如き、必ず個人の科学研究所をもっているが、これがアメリカの繁栄を、何う助けているか判らない。
今日の「サンデー毎日」を読むと「有機ガラス」が、大阪工業研究所の庄野唯衛氏の手で、発明されているがこれである。この一発明が何んなに大阪人を、日本人を富ますか、この新らしい研究に何んという後援者が、いくら金を出したか判らぬが、恐らく、この仕事が、工業化された場合、その利益は、その研究費の何万倍になって戻るか、判らないであろう。