Classiques japonais avec furigana
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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
Lisez 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) de 三好 十郎 (みよしじゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 122 347 caractères · 243 écrans
人物技量ともに井上とは少し段違いらしく、井上は押され気味である。双方無言、呼吸をはかっている。――間。タタッとくぐり戸から走り戻って来る甚伍左。
甚伍 誰も居ねえ、変な奴を見たように思ったが……(言いながらヒョイと座敷の方を見て、びっくりする)あ、何をなさるだ、お二人! ま、待って下さえ! 引いたっ!(縁側へ飛上る)引いたっ! 話せばわかるんだ。短気なことを!
吉村 此奴、初めからその気でいたのだ。危い、退って見て居れっ!
井上 ウッ!(ツツと進む)甚伍、貴様の命ももらったぞ!
甚伍 チッ、チッ、チッ! 人の気も知らねえ! しかし私を斬るというなら斬られようから吉村先生はいけねえっ! 水戸の藩論をまとめるクサビになっている人を、殺そうてえのかっ! 後で、後で、悔んでも追っ付けめえぜ、引いたっ! いけねえ、こ、こ、こ、兵藤さん、兵藤さん!
言っている間もなく吉村と井上の気息が烈しくなっている。吉村一、二歩出る、井上それだけ退る。吉村、刀を頭上に構えたまま、少しユラユラ揺りつつ、右へ少し廻り込む。井上の方は壁に背を付けるくらいにして、少し呼吸が乱れ、眼が血走って来る。