Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

てんま

天馬

金 史良

Lisez 天馬 (てんま) de 金 史良 (きむさりゃん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 35 407 caractères · 70 écrans

Aozora Bunko

一

ある重苦しい雲の垂れこめた日の朝、京城での有名な廓、新町裏小路のとある娼家から、みすぼらしい風采の小説家玄竜がごみごみした路地へ、投げ出されるように出て来た。如何にも彼は弱ったというふうに暫く門前に佇んで、一体どこから本町通りへ抜け出たものかと思案していたが、いきなりつかつかと前の方の小路へはいって行った。けれど界隈が界隈だけに、地に這うような軒並のいがみ合っている入りくんだ小路の、どこをどう通れば抜け出られるか皆目見当がつかない。右に折れるかと思えば又左の方へはいって行く。やっと左から出て行くと又路地は二つに岐れて立ん坊になるといった工合である。何か深い物思いに沈んで彼はてくてく歩き続けたが、袋小路などに突き当って、はっと思い、辺りを見廻したりした。前といわず、横といわず、大門に赤や青のペンキを塗りたくった、いずれも土壁が今にも崩れ出しそうな家ばかりである。こうして又、黙々と折り返し方々縫い歩く中に、とうとう彼は迷い込んでしまったのだ。そう早くもない時刻だが、どの小路もひっそりとして、時々朝帰りの客が、きまり悪そうに肩をすぼめてふらふらと通り過ぎる。