Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かのうせいのぶんがく
夫婦善哉
織田 作之助
Lisez 夫婦善哉 (かのうせいのぶんがく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 834 caractères · 94 écrans
殊勝な顔で玄関にうずくまり、言葉つきもにわかに改まって丁寧だったが、それが存外似合った。
一年ばかり、そこの記者衆を乗せて、出先と社の玄関を往復している間に、彼等の内幕やコツをすっかり覚えこんでしまったある雨の日、急に丹造の野心はもくもくと動きだして、よし、おれも一番記者になって……と、雨に敲かれた眼にきっと光を見せたが、しかし、お抱え俥夫から一足飛びに記者になろうというのは、町医者づきの俥夫が医者になろうというのと同然、とてものことに見込みはなかったから、いっそのこと、自身新聞社を経営してやろうと、丹造は本気で思い、この想いを毎日ガラガラ走らせていた。
横堀筋違橋ほとりの餅屋の二階を月三円で借り、そこを発行所として船場新聞というあやしい新聞をだしたのは、それから一年後のことであった。俥夫三年の間にちびちび溜めて来たというものの、もとより小資本で、発行部数も僅か三百、初号から三号までは、無料で配り、四号目には、もう印刷屋への払いが出来なかった。のみならず、いかに門前の俥夫だったとはいえ、殆んど無学文盲の丹造の独力では、記事の体裁も成りがたくて、広告もとれず、たちまち経営難に陥った。