Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lisez 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 161 caractères · 26 écrans
向島の金山荘に集ったのは、何時もの顔触れで、佐瀬弁護士も、明日はお聟さんになる筈の森川森之助も来ておりました。ミスからミセスになるのではありませんが、兎も角今宵限り国府未亡人の古い着物を脱ぎ捨てて、明日は森川夫人になるのですから、この別れの会は、なかなかに意味の深いものでした。
一とわたり御馳走が済んで、別室に退いてお茶が始まった時、私は、
「さて皆様、か様な席上に持出すのは、甚だ無躾で相済みませんが、明日は森川夫人になられる鈴子さんに、国府未亡人の最後の思い出として、金弥老人の吹込み遺した、レコードをお聴かせしようと思います」
「――――」
一座は思わずシンとなりました。このお別れの席とはいうものの、間違いもなく歓楽の席上に、死んだ老人の声などを聴かせるのは、不都合千万な物好きと思った様子です。
「それは意義のあることだ。是非承わり度い。あのレコードは何処の国語か知らないが、望月君の翻訳で聴くのも一段ではないか」
そう言ってくれたのは明日は花聟になる森川森之助でした。
「では」
私は玄関に置いて来た手提の蓄音機を取寄せると、卓の上に据えました。まことに古風な機械ですが、逆に廻転するように急に設計さしたもので、これでも精一杯の細工です。