Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おくさまとおんなこじき
奥さまと女乞食
小川 未明
Lisez 奥さまと女乞食 (おくさまとおんなこじき) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 070 caractères · 9 écrans
私は、いてもたってもいられはしない。私は、気が狂うばかりに、大騒ぎをするにちがいない。そして、あんなに泣くのを、じっとして聞いていられないだろう……。
「こうも、人間は、境遇によって、心の持ち方がちがうものかしらん。」と、考えていられました。
このとき、隣の年とった女房が、粉雪のちらちら風に舞う中を、前垂れを頭からかぶって小走りにやってきました。そして、窓の下のすぐ奥さまの目の下に立って、小さな声で、
「奥さま、まことに、お気の毒ですけれど、晩に食べる米がないのです。どうか、一升ばかり、お貸しくださいませんか。」と、つばをのみのみ頼みました。
奥さまは、この一家は、子供がたくさんで、平常から困っているのをよく知っていました。これまでも、こんなことをいってきたのは、たびたびです。そして、借りていった米をついに返しにきたことはなかった。奥さまは、また、貸してやったものは、与えるつもりでいましたから、催促は、もとより、持ってこなくとも、べつに気にも、とめていませんでした。しかし、女房が、こういってくるときは、前に借りていったことは、すっかり、忘れてでもいるようなようすでありました。