Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おんなけんし

女剣士

坂口 安吾

Lisez 女剣士 (おんなけんし) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 694 caractères · 74 écrans

Aozora Bunko

タダモノの姿とは見えないから、存八も一見気オクレを感じ、足がすくんで近くへ進めない。

「物売りは用がないぞ」

「いえ、ワタシは物売りじゃないんで。足立の旦那から伺って参りましたが、こちらで下僕を求めていらッしゃるそうで」

「おお、そうだ。キサマが下僕か」

「へ、もう、そうです」

「ちょうど、よい。こッちへこい。なんだ、それは」

「鍋釜の世帯道具で」

「財産家だな。キサマその槍をとって、娘にかかれ」

「槍でどうするんで」

「娘をつくのだ。キサマ槍を使ったことがあるか」

「ありませんねえ」

「なお面白い。なかなか槍は突けないぞ。横にふりまわしても、上から叩きおろしてもよろしいから、存分に娘にかかれ」

「こまったねえ」

「おそろしいか」

「いえ、お嬢さんに悪いんで。ケガでもさせちゃア」

「バカ。存分にやれ」

娘は立ってハチマキをキリリとしめていた。白い稽古着に緑の稽古バカマ。タダモノではないと見たのはこの姿のせいであったに相違ないが、さて立上った娘の姿の雄大さには存八もキモをつぶしたのである。

五尺五寸は充分にある。五尺二寸の存八よりも三四寸は大きいのだ。山で働くお作の姿も見事で、その素足なぞこれぞ造化の妙と存八は思ったものだが、この娘には遠く及ばない。