Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じょよう
女妖
江戸川 乱歩
Lisez 女妖 (じょよう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 691 caractères · 20 écrans
その一寸のばしが、目覚し時計の音を聞いてから、温かい蒲団の中にもぐっているように、何とも云えず物憂く、こころよかった。
もう海と空の見さかいがつかぬほど、暗くなっていた。近く遠くの汽船たちのマストの上の燈火が、キラキラと美しくきらめき出した。例のこの世にたった一人ぼっちという孤独感が、痛くなるほど迫って来た。
けさ上野駅について、浅草と有楽町で、映画を二つ見た。映画館の群衆は、自分とはまったくちがった別世界の生きものであった。それから銀座通りを京橋から新橋まで、三度ほど、行ったり来たりした。そこを通っている人たちも、まるで言葉の通じない異国人のように見えた。
少し寒くなって来た。もう落葉の季節に近づいていた。浩一はうつろな顔で歩き出した。あてどもなく、足の向くままに歩いていると、賑かな新橋の交叉点に出た。浜の公園から新橋までは案外近かった。
歩道の群衆にまじって、この人むれの中に溶けこんで、消えてしまいたいと思いながら、尾張町の方へ歩いた。こうして永遠に歩いていられたら、さぞよかろうと思った。しかし、夜が更けると、銀座通りは電車のレールだけが冷たく光っている廃墟に一変することを知っていた。