Classiques japonais avec furigana
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おんなごうとう
女強盗
菊池 寛
Lisez 女強盗 (おんなごうとう) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 200 caractères · 11 écrans
一
隆房大納言が、検非違使(警視庁と裁判所をかねたもの)の別当(長官)であった時の話である。白川のある家に、強盗が入った。その家の家人に、一人の勇壮な若者がいて、身支度をして飛出したが暗くてどちらが味方か敵かわからない。まごまごしているうちに、気がついて見ると、味方はことごとく敗走して、自分一人が強盗の中にいる。しかも、強盗達は、自分を仲間の一人だと思って話しかけたりしている。今更、戦って見たところで、とりこめられてたちまちやられそうである。そこで、覚悟をきめて、強盗の仲間のような顔をして、強盗について行き、盗品をわけるところへ行って、強盗の顔を見定め住家もつきとめてやろうと云う気になった。それで、盗品の櫃のなるべく軽いものを一つ背負って、強盗について行った。すると、朱雀門の傍まで行くと、そこで盗品をわけ合って、この男にも麻袋一枚呉れた。その強盗の首領株と云うのは中肉中背の優美な男で年は二十四、五らしい。胴腹巻をして、左右の手にはこてをして長刀を持っている。直衣袴の裾を緋の糸で、くくったのをはいている。この男が、いろいろ指図をしているが、他はまるで従者のように、素直に云うことをきいている。