Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようふ
妖婦
織田 作之助
Lisez 妖婦 (ようふ) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 892 caractères · 14 écrans
兵児帯が解けていた。安子はそのうしろ姿を見送りながら、
「いやな奴」と左の肩をゆり上げた。
ところが、次の日曜日、安子とお仙と一緒に銭湯へ行っていると、板一つへだてた男湯から水を飛ばした者がいる。
「誰さ。いたずらおよしよ」
安子が男湯に向って呶鳴ると、
「てやがんでえ。文句があるなら男湯へ来い、あははは……。女がいくら威張ったって男湯へ入ることは出来めえ。やあい、莫迦野郎!」
男湯から来た声は健坊だ、と判ると安子はキッとした顔になり、
「入ったらどうするッ」
「手を突いて謝ってみせらア」
「ふうん……」
「手を突いて、それから、シャボン水を飲んで見せらア」
「ようし、きっとお飲みよ」
安子はそう言うといきなり起ち上って、男湯と女湯の境についている潜り戸をあけると、男湯の中へ裸のままはいって行った。手拭を肩に掛けて、乳房も何も隠さずすくっと立ちはだかったまま、
「さあ入ったよ。手を突いてシャボン水お飲みよ」
健坊は思わず顔をそむけたが、やがて何思ったかいきなり湯舟の中へ飛び込んで、永いこと潜っていた。
「なにさ。あたいは潜れと云っちゃいないわよ。シャボン水をお飲みと言ってるんだよ。