Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようえい
妖影
大倉 燁子
Lisez 妖影 (ようえい) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 489 caractères · 22 écrans
四、白い手袋
「さあ、先刻のお話の続きを聞かして下さい」
私はウイスキーのコップをなめるようにしながら云った。
「お一ついかが?」
お嬢さんはチョコレートの箱を差出して云った。私は手近の一つを取って口に入れた。
四、白い手袋
お父さんはウイスキーをぐっと呑み干してから、話のつづきを語り始めた。
「ベルがまた烈しく鳴りました。召使は誰も起きる容子がありません。仕方なく私は蝋燭に火をつけて、それを持ちながら階下に降りてゆきました。そして玄関に立って、
『どなたですか?』と訊こうと思いましたが、何だか気味が悪るいのです。自分の意気地なしが腹立しく耻しくもなって、思い切って静かにハンドルを廻しました。しかし私の心臓は烈しく鳴り、恐しくって扉を前にひけませんでした。
でも遂々思い切って扉をさっと開けますと、ヴェランダの陰に白いものが立ってるのです。私は体がこわばって動けなくなってしまいました。
『ど、ど、どなたですか?――』
『お父さま。私ですよ』
娘の声じゃありませんか、思わずぎょっとして一歩後に退りました。
『私なのよ、お父さま』
私は自分が発狂したのだと思いながら、すうっと入って来た白いものに追われるように、少しずつ後退さりを始めました。