Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みょうなはなし

妙な話

芥川 竜之介

Lisez 妙な話 (みょうなはなし) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 810 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

ある冬の夜、私は旧友の村上と一しょに、銀座通りを歩いていた。

「この間千枝子から手紙が来たっけ。君にもよろしくと云う事だった。」

村上はふと思い出したように、今は佐世保に住んでいる妹の消息を話題にした。

「千枝子さんも健在だろうね。」

「ああ、この頃はずっと達者のようだ。あいつも東京にいる時分は、随分神経衰弱もひどかったのだが、――あの時分は君も知っているね。」

「知っている。が、神経衰弱だったかどうか、――」

「知らなかったかね。あの時分の千枝子と来た日には、まるで気違いも同様さ。泣くかと思うと笑っている。笑っているかと思うと、――妙な話をし出すのだ。」

「妙な話?」

村上は返事をする前に、ある珈琲店の硝子扉を押した。そうして往来の見える卓子に私と向い合って腰を下した。

「妙な話さ。君にはまだ話さなかったかしら。これはあいつが佐世保へ行く前に、僕に話して聞かせたのだが。――」

君も知っている通り、千枝子の夫は欧洲戦役中、地中海方面へ派遣された「A――」の乗組将校だった。あいつはその留守の間、僕の所へ来ていたのだが、いよいよ戦争も片がつくと云う頃から、急に神経衰弱がひどくなり出したのだ。