Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おばすて
姨捨
堀 辰雄
Lisez 姨捨 (おばすて) de 堀 辰雄 (ほりたつお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 351 caractères · 20 écrans
五
――それからというもの、私はそんな冬の夜の、雪なんぞの降っている晩には極まってその夜の事を思い出し、火桶などかかえながらでも、かならず端近くに出ては雪をながめて居ったものでした。――そんな若い時分の事もこの頃ではつい忘れがちになっておりましたのに、今、こうしてあなた達と話し込んでいますうち、その夜の事が急になつかしく思い出されて来たのです。どういう訳のものでしょうか。――そう云えば、今宵もこれ程私の心に沁み入っていますので、これからはきっとこんな真暗な、ときどき打ちしぐれているような冬の夜の事も、その斎宮の雪の夜と一しょに、折々なつかしく思い出される事でしょう。……」
男はそんな問わず語りを為はじめた時と少しも変らない静かな様子で、それを言い畢えた。
男が程経て立ち去った跡、女達はそのままめいめいの物思いにふけりながら、いつまでも其処にじっと伏せていた。雨は、木の葉の上に、思い出したように寂しい音を立て続けていた。
五
こんな事があってからも、女が何かと里居がちに、いかにも気がなさそうな折々の出仕を続けていた事には変りはなかった。が、出仕している間は、いままでよりも一層、他の女房たちのうちに詞少になって、一人でぼんやりと物など眺めているような事が多かった。