Classiques japonais avec furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lisez 婦系図 (おんなけいず) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 760 caractères · 343 écrans
向うは余所の蔵で行詰ったが、いわゆる猫の額ほどは庭も在って、青いものも少しは見える。小綺麗さは、酔だくれには過ぎたりといえども、お増と云う女房の腕で、畳も蒼い。上原とあった門札こそ、世を忍ぶ仮の名でも何でもない、すなわちこれめ組の住居、実は女髪結お増の家と云ってしかるべきであろう。
惣助の得意先は、皆、渠を称して恩田百姓と呼ぶ。註に不及、作取りのただ儲け、商売で儲けるだけは、飲むも可し、打つも可し、買うも可しだが、何がさてそれで済もうか。儲けを飲んで、資本で買って、それから女房の衣服で打つ。
それお株がはじまった、と見ると、女房はがちがちがちと在りたけの身上へ錠をおろして、鍵を昼夜帯へ突込んで、当分商売はさせません、と仕事に出る、
トかますの煙草入に湯銭も無い。おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前に縮まって、下げ煙管の投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外ずし、沸立った湯を流へあけて、溝の湯気の消えぬ間に、笊蕎麦で一杯を極めた。
その時女房に勘当されたが、やっとよりが戻って以来、金目な物は重箱まで残らず出入先へ預けたから、家には似ない調度の疎末さ。