Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lisez 婦系図 (おんなけいず) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 760 caractères · 343 écrans
ここに一際夜の雲の濃やかに緑の色を重ねたのは、隅田へ潮がさすのであろう、水の影か、星が閃く。
我が酒井と主税の姿は、この広小路の二点となって、浅草橋を渡果てると、富貴竈が巨人のごとく、仁丹が城のごとく、相対して角を仕切った、横町へ、斜めに入って、磨硝子の軒の燈籠の、媚かしく寂寞して、ちらちらと雪の降るような数ある中を、蓑を着た状して、忍びやかに行くのであった。
柏家
三十六
やがて、貸切と書いた紙の白い、その門の柱の暗い、敷石のぱっと明い、静粛としながら幽なように、三味線の音が、チラチラ水の上を流れて聞える、一軒大構の料理店の前を通って、三つ四つ軒燈籠の影に送られ、御神燈の灯に迎えられつつ、地の濡れた、軒に艶ある、その横町の中程へ行くと、一条朧な露路がある。
芸妓家二軒の廂合で、透かすと、奥に薄墨で描いたような、竹垣が見えて、涼しい若葉の梅が一木、月はなけれど、風情を知らせ顔にすっきりと彳むと、向い合った板塀越に、青柳の忍び姿が、おくれ毛を銜えた態で、すらすらと靡いている。
梅と柳の間を潜って、酒井はその竹垣について曲ると、処がら何となく羽織の背の婀娜めくのを、隣家の背戸の、低い石燈籠がト踞んだ形で差覗く。