Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こをつれて

子をつれて

葛西 善蔵

Lisez 子をつれて (こをつれて) de 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 970 caractères · 34 écrans

Aozora Bunko

「さあ……」と横井は小首を傾げて急に真面目な調子になり「併し、そりゃ君、つまらんじゃないか。そんな処に長居するもんじゃないよ。気持を悪くするばかしで、結局君の不利益じゃないか。そりゃ先方の云う通り、今日中に引払ったらいゝだろうね」

「出来れば無論今日中に越すつもりだがね、何しろこれから家を捜さにゃならんのだからね」

「併しそんな処に長居するもんじゃないね。結局君の不利益だよ」

彼の期待は外れて、横井は警官の説諭めいた調子で斯う繰り返した。

「そうかなあ……」

「そりゃそうとも。……では大抵署に居るからね、遊びに来給え」

「そうか。ではいずれ引越したらお知らせする」

斯う云って、彼は張合い抜けのした気持で警官と別れて、それから細民窟附近を二三時間も歩き廻った。そしてよう/\恰好な家を見つけて、僅かばかしの手附金を置いて、晩に引越して来るということにして帰って来た。がやっぱし細君からの為替が来てなかった。昨日の朝出した電報の返事すら来てなかった。

三

その翌日の午後、彼は思案に余って、横井を署へ訪ねて行った。明け放した受附の室とは別室になった奥から、横井は大きな体躯をのそり/\運んで来て「やあ君か、まああがれ」