Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こをうばう
子を奪う
豊島 与志雄
Lisez 子を奪う (こをうばう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 292 caractères · 80 écrans
そうすれば敏子とても、一生世に埋もれずに済む、少なくもも自由な道が歩けるだろう。それで自分の過去は晴々となるのだ。罪の購いなのだ。而もそれによって、兼子の生活まで救われるだろう。女には良人以外にも一つ、生活の頼りとなるべき人形が必要である。その人形は、普通の女にとっては子供なのだ。兼子に子供を与えることは、彼女の寂寞たる生活を救うかも知れない。そうだ。彼女がその子供を愛しさえすれば……。
彼は執拗に兼子の眼色を窺った。その眼は少しも濁っていなかった。
「お前は、」と彼は云った、「後悔するようなことになるだろうとは、少しも思っていないのか。」
「ええ。なぜ?」
「自分の児でなければ子供なんか寧ろない方がいいとか、または、依子よりも寧ろ他人の子供を養子にした方がよかったとか、そんな気持ちになりそうな不安は、少しも感じないんだね?」
「ええ、ちっとも。私ただあの子を育てたいんですわ。」
「なぜ?」と此度は彼の方で反問した。
彼女の答えは簡単だった。
「あの子なら、全く他人ではありませんから。」
「だからなおいけなくはないかしら。」
「いいえ。私はもう昔のことは何とも思っていませんの。