Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「だわよ、とござったな」増田は躯をねじった、「おめえのはどうだ」

「自分でみてみなさいな」

「めんどくせえや、心臓なんぞくたばっちめえだ」

「まあお待ちよ、乱暴だねえあにさんは、待ってったら」

増田は「あ――っ」といって、そこへごろっと横になった、「あにさん、か」

「どうしたの、そんなとこへ寝ちまっちゃだめじゃないの、風邪ひくわよ」

「あにさん、ときたか」

増田は眼をつぶったまま、くすぐられでもしたように含み笑いをし、よせやいと云った。

河口は帰って来なかった。良江は酒を冷やのままで、暫く独りで飲んでいたが、やがて立ちあがると、戸納から夜具を出してそこへ敷きはじめた。

明くる朝はやく、増田の妻が河口の住居へ来て、自分の亭主の仕事着を差出し、河口初太郎の仕事着を受取って帰った。

「男って酔うとしようのないもんだねえ、ほんとに」と増田の妻の勝子が云った。

「ほんとにねえ、男は酔っぱらうと子供も同然なんだから」と河口の妻の良江が答えた。

二人の会話はそれだけだった。心になにか思っているが口にはだせないとか、話し合えば気まずいことになるとか、そういう心理的な回避があったわけではない。