Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

――そういうことがあるとはみえないし、同じ現場ではたらいていても、それほど親密な仲とは考えられなかった。

慥かに、二人はいつもいっしょにいるが、それは急に友情にめざめたからではなく、同病者が互いに寄りあっていたがるような、または、同じ犯罪者が相手の密告を恐れるため、お互いに監視しあっている、とでもいったような感じであった。

次のとき仕事の帰りに、二人はまた屋台店で一杯やっていた。かれらは飲むときでもあまり親しそうでなく、相当に酔わない限り会話も活溌ではなかった。――そのときも例のとおり、酎のコップを啜り、つき出しの肴を摘みながら、ときたま要もないことを、うわのそらで話し、あとは黙って、どちらもそれぞれの考えにとらわれているようであった。やがて、増田益夫が首を振り、コップの酎を音たかく啜って、独り言のように呟いた。

「女なんてもなあ、へ、変りばえのしねえもんだ」

「まったくさ」と河口初太郎が云った、「女なんてどっちへ転んでも、変りばえのしねえもんさね」

この二た組の夫婦のロマンティックな関係が、どのくらい続いたかははっきりしない、二十日たらずともいうし、三十日以上ともいわれた。