Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans
と子供が云った、「忘れてたけどさ、プールを作ろうよ」
はっきりそう云ったのだ。声にはちからがなく、少ししゃがれてはいたが、きみの悪いほどはっきりした云いかたであった。父親は泣くような表情で微笑した。
「そうだな、うんそうしよう」と彼は大きな声で云った、「なんでもきみの好きなようにするよ、やれやれ、これでようやくおさまったな」
子供の病気は峠を越したのだ。子供というものは生命力の強いものだからな、彼は明るい顔色になり、珍しいことに、鼻唄をうたいながら、七厘に火を焚きはじめた。
彼はニュームの牛乳沸しで、残飯の粥を作り、それを喰べさせようとして小屋へはいってみると、子供はもう冷たくなっていた。
その翌朝、ヤソの斎田先生が小屋の前を通りかかったとき、彼はビールの空き箱に腰を掛けたまま、ぼんやりと空を見あげ、手に牛乳沸しを持って、なにかぶつぶつ独り言を呟いていた。
「お早う」と斎田先生が呼びかけた、「坊やは元気かね」
彼は斎田先生を見あげたが、まったく知らない人を見るような眼つきで、けれども口では「ええ元気です」と答えた。
病気だとか聞いたようだが、もう治ったのか、と斎田先生がきくと、ええおかげさまでと答え、うるさいな、とでも云いたげに顔をそむけた。