Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

――平さんの小屋も幾たびか襲われたが、開き戸も窓もあかなかった。どういうくふうがしてあるのか、いろいろと攻撃したようだが、いちども成功しなかった。もとよりいたずら半分のしごとなので、小屋を打ち壊すほどの乱暴はしなかったし、やがて、平さんが大切にしているのは、五個の漬け物樽だということがわかってからは、もう誰も関心をもつ者はいなくなった。

平さんはこれらのことを知っていたであろうか、それともまったく勘づきもしなかったろうか。

いずれにせよ、彼のようすは少しも変らなかった。彼はいつも動いていた。はたらいている、というのではなく「動いている」という感じであった。――大きな麻袋を背負って帰ると、中のぼろ布を出して選り分け、即席竈に火を焚いて、石油罐の湯を沸かし、粉シャボンを混ぜて、より分けたぼろ布を入れ、木の枝でかきまわしながら煮る。よそ見をすることもなし、鼻唄とか独り言を呟くこともない。必要に応じて躯や手足が動作するだけで、意志のはたらきとか、感情のあらわれというようなものは少しもみられなかった。――小屋の南側に、二本の杉丸太を立て、麻繩を三段に張った干し場がある。