Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans
近所のかみさんたちの話では、お尻を裸にして、物差で打つのだという。蜜をたっぷり掛けたプディングのような甘やかな声と、骨まで凍るような折檻の音とは、そのまますさまじい和音となって、聞く者の耳を突き刺すのであった。
ごめんだよう、とじんの悲鳴が聞える。もうしないよう、痛いよう。勘弁だよう。ぴしりっ、ぴしりっ。嘘じゃない、学校へいくよう、あれ死んじゃうよう。ぴしりっ、ぴしりっ。そんな大きなお声をだすとご近所のご迷惑になることよ、ぴしりっ。もっと静かになさいな、ぴしりっ。泣きまねなんかなすってもだめ、ぴしりっ。そんなに痛いものですか、かあさまは騙されませんわよ、ぴしりっ。
やがて、いつもそうなのだが、じんは母の手をのがれて外へとびだし、そこでたちまち叛逆の狼火をあげる。鬼ばばあ、くたばっちまえ――、という第一矢でそれは始まり、相当な無頼漢でも思い及ばないような、豊富な語彙を駆使して呪いと悪罵と嘲弄をあびせかける。むろん隣人のことなどへとも思わないし、もしも好奇心をおこして、その騒ぎを見に来るような者があれば、じんは少しのためらいもなく石や棒切れを投げつけるのだ。