Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

物の貸し借りといっても、小皿へ一杯の醤油とか、一と摘みの塩とか、茶碗一杯の米ぐらいのものであるが、貸してやったほうは「源さんのとこもらくじゃないんだね」と思い、自分のうちにはまだ少しはゆとりがあるのだ、というささやかな心づよさと優越感をあじわえるのである。それはしばしば、相手にそういう感情をたのしませるために、必要でもない一と摘みの塩を借りにゆくという、隣人愛のあらわれともなるのであった。

島さんの妻はそんなことはしなかった。この「街」にも八百屋と魚屋がおり、どちらも戸板一枚に並べるだけの品しかなかったし、魚は僅かな塩物とあらばかり、八百屋は色も水気もないしなびた野菜ばかりで、両方とも市場で捨てる屑を拾って来るのだといわれているが、それでも住人たちは、その二軒でけっこうまにあわせていた。だが島さんの妻は振向きもせず、買い物にはいつも原っぱを越して中通りまでいった。

「あの奥さんはたいへんなひとだよ」住人のかみさんたちはこう話しあった、「このあいだ安八百屋でキャベツを買うのにさ、上っ側の葉はしなびてるし傷があるからって云って、ばりばり剥いて捨てちゃうのさ、およそ六、七枚も剥いちゃったろうかね、それからあとのキャベツを店の人に渡して、これを秤にかけておくれと云うじゃないの、キャベツは一個いくらときまってる、目方