Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「あのとしで珍しいね」とかみさんたちは云った、「ちっともじっとしてないんだから、あれでもうちょっと愛嬌があれば文句はないんだけどね」

その後も年に一度か二度、かなえは豪華な姿でたずねて来た。そしてかつ子を「踏んづぶしたがんもどき」と呼び、京太と酒を飲んで、芝居でする馬子か駕籠かきの女房のような口ぶりで、いかがわしいことを饒舌りちらした。

かなえの婚家が相当な事業家だということは確からしい。だが、どんな種類の事業をやっているのかも、その家庭がどんなふうであるかもわからない。なにがし商事会社と云うとか、またそこで自分が生んだ三人の子たちが、ピアノの先生についているとか、家庭教師が二人ずつ付きっきりだ、などと話すときも、会社そのものや、子供たちについて語る、というのではなく、かなえ自身をひきたて、かなえ自身をひけらかすためのように感じられた。なにかというと外国語を口にするが、それもたいがいは使いかたがちぐはぐだし、おトイレ式の、なに語とも判別のつかないものが多かった。

おたねとかなえがどんな生いたちをし、どんな親きょうだいをもっているか、また、いまでも親きょうだいがいるのかどうか、――これらのことは、この「街」