Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

の他の住人たちと同様、すべてがあいまいでつかみどころがない。ここでは常に現在があるだけで、過去のことは関知されないのが通例であり、たまたま語られる過去の話は、九割まで粉飾され、誇大に歪められるのが常識のようになっていた。

興味ふかいのは、こういう誇張された話になると、語り手は自分で嘘と知りながら昂奮し、それがもし哀話であれば、その哀れさに自分で涙をこぼした。聞いているほうも、ああこれは作り話だなと思いながら、それでもなお身につまされて、もらい泣きをするというのが珍しくないことだ。但し、これが虚栄心に関連した問題になるとまったく事情が変る。明らかに嘘とわかっていても、必ず反感をかい、こっぴどい悪口を云われるし、実際にむかし金持であったり、現にそれをみせつけたりすれば、それこそ仇がたきのようにそしられるのであった。

かなえは後者の例に属するだろう、豪華に着飾り、香料の匂いを百メートル平方にまでふりまきながら、鼻たかだかとやって来、鼻たかだかと帰ってゆく。人垣をつくって見迎え見送る住民たちには眼もくれず、もちろん挨拶するなどということもない。にもかかわらず、かなえの評判はここでは悪くなかった。