Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans
京太は夜具を掛けてやろうとして跼んだ。発育のよくないかつ子の躯は、少女らしい魅力さえどこにも感じられなかった。胸も腰も少年のように骨ばっていて、ふくらみや柔軟さなどはまったく眼につかなかった。――ふだんは確かにそのとおりなのだが、ひびのいったガラス戸を透して来る、夜のほの明りのいたずらだろうか、京太の眼にうつったかつ子のあらわな足は、特に大腿部でやわらかい厚みと、重たげな張りをもって、おどろくほど誘惑的にみえた。
すぐに、かつ子は眼をあいた。眠りからさめたというより、眠っていなかった者が眼をあいたような感じで、そのまま眸子も動かさずに伯父をみつめていた。
「なんでもないんだよ」と京太は云った、「あたりまえのことなんだ。じっとしていればいいんだよ」
かつ子は例によってなにも云わず、ただ伯父の顔をみつめるばかりであった。その眼には驚きの色もなし感情のかけらもなかった。ガラス玉のように冷たく、透明なままであった。
「眼をつぶるんだ、かつ子」と京太が云った、「じっとして眼をつぶってればいいんだ、なんでもないんだから」
けれどもかつ子の眼は伯父をみつめたまま動かなかった。