Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans
酒呑みに女は不用だと、自分でもいばっていたし、それを裏切るような例はなかった。かつ子は生みの親でさえ、「がんもどき」と云うくらい、きりょうも悪いし、躯つきにも娘らしさなどまったくなかった。それをどうして、京太が手を出すような気になったか、そこに少なからず疑問があった。尤もおたねにはそれは重大でもなんでもなかった。たとえ相手が京太だとしても、口惜しいとかねたましいなどという気持はおこらないのである。古風な考えかたかどうか知らないけれど、毎月の面倒が終って以来、自分はもう女ではない、ということを漠然と感じ、なまぐさいような感情からはすっかり解放されていた。ましてこんどの腫物の切除で、実際にも女であることを喪失したため、そういう問題にはいっそう淡泊になったようであった。
だがそれで済むことではなかった。かつ子の躰内では一日ごとに育っているものがある、そのまま産ませるか、それとも中絶するかきめなければならないし、いずれにせよ、費用は妹のかなえに頼む以外に手はないので、まず亭主に当ってみた。
日の昏れかかる時刻で、かつ子を酒屋へ使いにやり、二人だけになるとすぐ話しだした。