Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

極めてこまかい仕事とみえ、片方の眼に時計屋が修理のとき使うような、筒形の拡大鏡をはめ、机にのしかかって、慎重に、入念に細工を進めるのである。そのようすは、なにかの仕事をしているというより、荘厳な神事でもおこなっているというほうがふさわしくみえた。――仕事のあいだも物音はたてない、錐を使い各種の鑿、糸鋸の類を使っても、殆んど音が聞えないのだ。小刀で象牙を削るときには、ごくかすかに、やわらかな擦音が出るけれども、それでさえ側へ寄って、じっと耳をすまさなければ聞えないのであった。

それはよほど大切な、しかも秘密な仕事なのだろう。「小屋の平さん」でさえ、それらの道具を見たことはない。平さんが来れば部屋へとおすが、どこへどう隠すものか、頑丈な小机以外にはこれといって眼につく物はなかった。平さんのほかに部屋へとおす者は絶対にないし、中通りの六ちゃんが来ても、切貼りだらけの障子を少しあけ、顔を半分だけ出して話す、というのが常のことであった。

なにをするにも音を忍ばせ、食事のときに箸の音さえたてず、ひっそりと息をひそめているような生活の全部は、すべてその仕事をするためのトレーニングであるようだ。