Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「僕がうちを出て来たのは、僕は心に隠していることがあると、すぐ顔に出てしまうからなんです、あにきなら一と睨みで見抜いてしまうでしょう、それは自分でよくわかってるんです」

老人は辰弥を見てきいた、「貯金帳を持ってかね」

「通帳はうちにありますが、誰にもみつかる心配のないところに隠してあるんです、それに、――僕が貯金していることだって、誰にも云ってはないんですから、自分で持ってるより大丈夫なくらいです」

たんば老人は半インチほどに切った巻タバコの一つを取り、キセルの火皿に詰め、火鉢ですいつけてうまそうにふかした。

「金を都合しろって、いったいどのくらいの額なんだね」

辰弥はその金額を告げて云った、「――どうしても必要だからって、いろいろな事情を書いた手紙が、三、四日まえに届いているんです」

「今日もその話をもちだしたのかい」

「僕は挨拶しただけで、話はしずに出て来ました」

「すると、金がいらなくなって、それを知らせに来たのかもしれないね」

辰弥は冷たく微笑しながら、首を左右に振って云った、「そんなあにきならいいんですがね」

「私もいつか、そのにいさんという人を見たことがある」