Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
おいら、もう帰るよ」
友之助は怒った様な顔をして、ピョコンと立上ると、実際帰り相な様子を示した。
「馬鹿をお云い、こんな遠い所から一人でなんか帰れやしないよ。君は道を知らないじゃないの」
「道なんか知ってらい。分らなかったら大人に聞くばかりだい。おいら、十里位歩いたことがあるんだから」
諸戸は苦笑して、暫らく考えていたが、書生に命じて、例の花瓶とチョコレートの包みを持って来させた。
「もう少しいておくれ、伯父さんがいいものをやろう。君は何が一番好き?」
「チョコレート」
友之助は立ったまま、まだ怒った声で、しかし正直な所を答えた。
「チョコレートだね。ここにチョコレートが沢山あるんだよ。君はこれがほしくないの。欲しくなかったら帰るがいいさ。帰ればこれが貰えないのだから」
子供は、チョコレートの大きな包みを見ると、一瞬間さも嬉しそうな表情になったが、しかし、強情に欲しいとは云わぬ。ただ、元の椅子に腰を下して、黙って諸戸を睨んでいる。
「それ見たまえ、君は欲しいのだろう。じゃあ上げるからね、伯父さんの云うことを聞かなければ駄目だよ。一寸この花瓶を御覧。綺麗だろう。