Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

そんな変てこな状態のままで、この不思議な親子は、ポツリポツリと、それでも一時間ばかり話をしていた。その内今でも記憶に残っているのは、次の二つの問答である。

「あなたは近頃どこかに旅行をなすったのじゃありませんか」

諸戸が何かの折に、その点に触れて云った。

「いんや、どこへも行かない。のうお高」

老人は傍にいた母親の方を振向いて助勢を求めた。気のせいかその時老人の目が、ある意味をこめてギョロリと光った様に見えた。

「東京でね、あなたとそっくりの人を見かけたんですよ。若しかしたら、私に知らせないで、こっそり東京へ出られたのかと思って」

「馬鹿な。そんな、この年で、不自由な身体で、東京なんぞへ出て行くものかな」

だが、そう云う老人の目が、やや血走って、額が鉛色に曇ったのを、私は見逃さなんだ。諸戸は強いて追及せず、話頭を転じたが、暫くすると、又別の重要な質問を発した。

「庭が掘返してある様ですが、どうしてこんなことをなすったのですか」

老人は、この不意撃ちに会って、ハッと答えに窮したらしく長い間押黙っていたが、

「ナニ、これはね、のうお高、六めの仕業だよ。ホラお前も知っている通り、家には可哀想な一人前でない連中を養ってあるが、その内に六という気違いがいるのだよ。