Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

若しや……」

私が云いかけると、相手は嬉し相に叫び出した。

「アア、そうだ。お前さん蓑浦さんだね。もう一人は、道雄さんだろうね。わしは徳だよ。丈五郎に殺された徳だよ」

「アア、徳さんだ。君、どうしてこんな所に」

私達は思わず声を目当に走り寄って、お互の身体を探り合った。

徳さんの舟は魔の淵の所で、丈五郎の落した大石の為に顛覆した。だが、徳さんは死ななかったのだ。丁度満潮の時だったので、彼の身体は、魔の淵の洞窟の中へ吸い込まれた。そして、潮が引き去ると、ただ一人闇の迷路にとり残された。それから今日まで、彼は地下に生きながらえていたのだった。

「で、息子さんは? 私の影武者を勤めてくれた息子さんは?」

「分らないよ、大方鮫にでも食われてしまったのだろうよ」

徳さんはあきらめ果てた調子であった。無理もない。徳さん自身、再び地上に出る見込みもない、まるで死人同然の身の上なんだから。

「僕の為に、君達をあんな目に合わせてしまって、さぞ僕を恨んでいただろうね」

私は兎も角も詫言を云った。だが、この死の洞窟の中では、そんな詫言が、何だか空々しく聞えた。徳さんはそれについては、何とも答えなかった。