Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

六畳の奥の間に、初代はもう仏になって横わっていた。全身に白い布が覆われ、その前に白布をかけた机を据えて、小さな蝋燭と線香が立ててあった。一度逢ったことのある、小柄な彼女の母親が、仏の枕元に泣き伏していた。その側に、彼女の亡夫の弟だという人が、憮然として坐っていた。私はK氏の次に母親に悔みを述べて、机の前で一礼すると仏の側へ寄ってそっと白布をまくり、初代の顔を覗いた。心臓を一抉りにやられたということであったが、顔には苦悶の痕もなく、微笑しているのかと思われる程、なごやかな表情をしていた。生前から赤味の少い顔であったが、それが白蝋の様に白けて、じっと目をふさいでいた。胸の傷痕には、丁度彼女が生前帯をしめていた恰好で、厚ぼったく繃帯が巻いてあった。それを見ながら、私は、今からたった十三四時間前に、新橋の鳥屋で差向いに坐って笑い興じていた初代を思出した。すると、内臓の病気ではないかと思った程、胸の奥がギュウと引締められる様な気がした。その刹那、ポタポタと音を立てて、仏の枕元の畳の上に、続けざまに私は涙をこぼしたのであった。

いや、私は余りに帰らぬ思出に耽り過ぎた様である。