Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
、そこには、まるで古本屋の引越しみたいに書物の山々が築かれ、その間に、古ぼけた木製ベッドや、食卓や、雑多の食器や、罐詰や、蕎麦屋の岡持などが、滅茶苦茶に放り出してあった。
「椅子がこわれてしまって、一つきゃない。マア、それにかけて下さい」
と云って、彼自身は、ベッドの薄汚れたシーツの上にドッカとあぐらをかいたものである。
「用事でしょう。何か用事を持って来たんでしょう」
彼は乱れた長い頭髪を、指でうしろへかきながら、一寸はにかんだ表情をした。彼は私に逢うと、きっと一度はこんな表情をするのだ。
「エエ、あなたの智恵をお借りし度いと思って」
私は、相手の西洋乞食みたいな、カラもネクタイもない皺くちゃの洋装を見ながら云った。
「恋、ね、そうでしょう。恋をしている目だ。それに、近頃とんと僕の方へは御無沙汰だからね」
「恋、エエ、マア、……その人が死んじまったんです。殺されちまったんです」
私は甘える様に云った。云ってしまうと、どうしたことか止めどなく涙がこぼれた。私は目の所へ腕を当てて、本当に泣いてしまったのだ。深山木はベッドから降りて来て、私の側に立って、子供をあやす様に、私の背中を叩きながら、何か云っていた。