Classiques japonais avec furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
葬式の日は、親類一同、小さな棺の周囲に集った。三吉が往時書生をしていた家の直樹も来た。この子息は疾に中学を卒業して、最早少壮な会社員であった。
お俊も来た。
「叔父さん、今日は吾家の阿父さんも伺う筈なんですが……伺いませんからッて、私が名代に参りました」とお俊は三吉に向って、父の実が謹慎中の身の上であることを、それとなく言った。
その日は、お愛も長い紫の袴を着けて来た。こうして東京に居る近い親類を見渡したところ、実を除いての年長者は、さしあたり森彦だ。森彦は、若い人達の発達に驚くという風で、今では学校の高等科に居るお俊や、優美な服装をしたお愛などに、自分の娘を見比べた。
正太は花を買い集めて来た。眠るようなお房の顔の周囲はその花で飾られた。「お雪、房ちゃんの玩具は一緒に入れて遣ろうじゃないか」と三吉が言えば、「そうです、有ると反って思出して不可」と正太も言って、毬だの巾着だのを棺の隅々へ入れた。
「余程毛糸が気に入ったものと見えて、眼が見えなく成っても、未だ毛糸のことを言っていました」とお雪は、病院に居る間、子供に買ってくれた物を取出した。
「それも入れて遣れ」