Classiques japonais avec furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
何か冒険談でも聞くように、しばらく三吉は正太の話に耳を傾けていたが、やがて甥の顔を眺めて、
「しかし君、――実さんにせよ、森彦さんにせよ、皆な儲けようという人達でしょう。そういう人達が揃っていても、容易に儲からない世の中じゃ有りませんか。兜町へ入ったからッて、必ず儲かるとは限りませんぜ」
「実叔父さん達と、私とは、時代が違います」と正太は力を入れた。
「まあ僕のような門外漢から見ると、商売なり何なりに重きを置いてサ、それから儲けて出るというのが、実際の順序かと思うネ。名倉の阿爺を見給え。あの人は事業をした。そして、儲けた。どうも君等のは儲けることばかり先に考えて掛ってるようだ……だから相場なんて方に思想が向いて行くんじゃ有りませんか」
「そこです。私は相場を事業として行ります。一寸手を出してみて、直ぐまた止めて了うなんて、そんな行き方をする位なら、初から私は関係しません……先ず店員にでも成って、それから出発するんです……私は兜町に骨を埋める覚悟です……」
「それほどの決心があるなら、君の思うように行って見るサ。僕は君、何でも行りたか行れという流儀だ」
「そう叔父さんに言って頂くと、私も難有い――森彦叔父さんなぞは何と言うか知らないが……」